「摂食障害」って言葉、聞いたことありますか?
もしかすると、「拒食症」、「過食症」という単語のほうが聞き慣れているかもしれません。

詳しくは知らないけれど、ザックリとは知っています

食べずに痩せすぎたり、食べ過ぎたりするんですよね
食行動を中心にさまざまな問題が現れる病気を総称して「摂食障害」と呼びます。
実は、摂食障害という大きなくくりの中にいくつかの異なるタイプがあり、その数は意外と多いです。
この記事では、その分類を分かりやすくまとめてみました。
1.摂食障害のタイプと特徴
まずは全体像を分かりやすく表にまとめてみました。
神経性やせ症(拒食症)
体重・体型
著しく低体重。やせているのに「太っている」と感じやすく、自己評価が体重・体型に強く左右される。
食事
食事量を極端に減らす。食べることへの強い恐怖・こだわりがある。過食に走ることも。
体重コントロール
過度な運動で体重増加を防ごうとする。過食排出型は嘔吐・下剤の使用あり。
その他の特徴
完璧主義・強迫的な傾向が強い。うつ・不安を伴うことも多い。
神経性過食症
体重・体型
体重は正常範囲のことが多い。自己評価が体重・体型に強く左右される。
食事
短時間に大量に食べる「むちゃ食い」を繰り返す。食事のコントロールが難しくなる。
体重コントロール
過食後に嘔吐・下剤・極端な節食などで体重増加を打ち消そうとする(代償行動)。
その他の特徴
むちゃ食いを隠す・1人で食べることが多い。強い自己嫌悪・罪悪感を抱えやすい。
過食性障害
体重・体型
肥満傾向が多い。体型や体重へのこだわりは拒食症・過食症ほど目立たないことが多い。
食事
コントロールできないむちゃ食いを繰り返す。「止められない」感覚を伴う。
体重コントロール
代償行動はとらない。(過食症との大きな違い)
その他の特徴
食べた後の後悔・自己嫌悪が強い。うつ・不安障害の併存が多い。
特定不能の食行動障害(OSFED)
体重・体型
正常範囲のことが多い。
食事
食事制限・過食・パージング(浄化障害)など様々なケースあり。
体重コントロール
嘔吐・下剤・過運動など様々。
その他の特徴
外見上は健康に見えても、食事・体重・体型への強いこだわりや苦痛がある。
回避・制限性食物摂取症
体重・体型
体型・体重へのこだわりは基本的にない。栄養不足から体重が落ちることがある。
食事
特定の食べ物を強く回避・制限する。偏食・少食・食感や味へのこだわりが強い。
体重コントロール
やせ願望からではなく、食べることへの不安・恐怖・感覚的な問題が理由。
その他の特徴
食の感覚的なこだわり(味・食感・においなど)が強い。発達障害・不安障害の併存が多い。
参考:国立精神・神経医療研究センター 摂食障害情報ポータルサイト
※本表はブログ掲載用に情報を整理・再構成したものです。診断には専門機関への受診をおすすめします。

思った以上に種類が多い〜!
では、各タイプの特徴を簡潔に説明していきます。
2.神経性やせ症(拒食症)
いわゆる拒食症と呼ばれるタイプ。
・体重が極端に低い状態を維持している
・体重増加に対する強い恐怖
・体型・体重への強いこだわり
・制限の反動で過食し、嘔吐・下剤などで体重増加を防ぐ
・自分の体型・体重の感じかたに歪みがある
最後に挙げた「感じかたに歪み」というのは、分かりやすい例では明らかに痩せていてもそれを異常と感じないというものです。
筆者が拒食症だった頃、ガリガリに痩せて腕や脚は骨と皮に近い状態でしたが、そんな自分を鏡で見ても「恐ろしいほど痩せちゃったな」とは思えない時期がありました。
経験したことのない人にとっては不思議でしかない現象です。
視覚から入ってくる情報はすべて歪んでしまい、本来の健康的な自分の時とは違った受け取りかたをしてしまうのです。
3.神経性過食症
いわゆる過食症と呼ばれるタイプ。
大量の食べ物を詰め込むように一気に食べる「むちゃ食い」を繰り返すタイプです。
・短時間のむちゃ食いを繰り返す(週1回以上の行為を3カ月以上)
・体重増加を防ぐための代償行動(嘔吐・下剤乱用・過度な運動など)
・体型・体重への強いこだわり
拒食症にも食制限の反動から過食+嘔吐(または下剤)で体重をコントロールする特徴はありますが、それと過食症の大きな違いは体重が標準範囲内というところです。
外見的には普通(極端に痩せていない)なことが多く、周囲からは気づかれにくいのも特徴です。
4.過食性障害
最近、正式な診断名として使われるようになったタイプ。
・短時間のむちゃ食いを繰り返す(週1回以上の行為を3カ月以上)
・過食症と違い、代償行為はしない
・むちゃ食い後に強い自己嫌悪や罪悪感を感じる
過食症と違って代償行為はしないため、体重は増加していく傾向にあります。
過食性障害の病状には「自己嫌悪や罪悪感」と明記してありますが(DSM-5)、その理由の一つは、リセットしたと感じられる代償行為がないためと考えられます。
5.OSFED(特定のタイプに完全には当てはまらない摂食障害)
特定のタイプに完全には当てはまらないけれど、食べることに明らかに問題を抱えているケース。
非定型型神経性やせ症
体重は正常範囲なのに強い食事制限をしたり体重増加への恐怖がある
過食をするが頻度は少ない
過食(+嘔吐)はあるが、「週〇回以上」などの基準に届かない
短期間の過食症
症状はあるが持続期間が短い
パージング障害(浄化障害)
過食はないが、嘔吐・下剤などで体重コントロールをする
外見的には健康に見え、症状的にも「基準に届かない」「~がない」などのワードが並んでいますが、けっして軽症なわけではありません。
むしろ、身体的・精神的なリスクは他の摂食障害に引けを取らないぶん、見過ごされやすいOSFEDは危険です。
6.回避・制限性食物摂取障害(ARFID)
以前は「子どもの摂食障害」という位置づけでしたが、最近は大人にも診断されることがあります。
・体型・体重へのこだわりはない
・特定の食べ物しか受け付けない(味・食感に過敏なため)
・食べる量が少なく栄養不足
・食べ物に対する強いこだわりや恐怖(好き嫌いと誤解されがち)
・食べる行為による窒息や嘔吐への恐怖
ARFIDの原因は様々で、脳や感覚の特性が深く関わっている場合が多いです。
7.筆者の体験からみるタイプ移行について
筆者ぴょん・あえりは過去、拒食症と診断されました。
食べ物を極端に制限する「拒食」のピークは半年〜約1年。
その後は、恐怖感に苦しみながらも食べる量を増やしていき、1〜2年かけて自身に作ってしまった極端な制限を外していきました。
その制限を取り除いていくのは本当に難しく、苦しく、辛い日々でした。

限界突破しすぎ…
今思い返せば、極端な痩せから回復した後、OSFEDに移行したんだと思います。
YouTubeチャンネルの摂食障害関連の話をする時によく「偏食状態」という言葉を使っていますが、考えてみればOSFEDによく当てはまるのです。
OSFEDは比較的新しい診断名で、2013年に出版されたDSM-5から導入されています。
それまで、明確にどのタイプにも当てはまらないものはEDNOS(特定不能の摂食障害)と呼ばれていました。
当然メジャーではなく、見落としの多いタイプだったのではと思います。
YouTubeチャンネルには、当時の様子、苦しみ、感じたことなどを語っている動画がいくつかあります。
よろしければ是非そちらもチェックしてみてください♪

ここまで読んでいただき、どうもありがとうございます♡


